女性、若者/シニア起業家資金とは?

女性や30歳未満の若者、55歳以上のシニア層の方で、「新たに事業を始める方」や「事業開始後おおむね5年以内の方」を対象にした融資制度です。日本政策金融公庫のWebサイトには次のように記載されています。

ご利用いただける方 女性または30歳未満か55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね5年以内の方
お使いみち 運転資金又は設備資金
ご融資額 7,200万円以内(うち設備投資4,800万円以内)
ご返済期間 運転資金5年以内(うち据置期間6ヵ月以内)
設備資金15年以内(うち据置期間3年以内)
利 率 運転資金:基準利率   設備資金:基準利率、特利A、B、C
取扱期間 平成21年3月31日まで
その他 保証人、担保(不動産、有価証券等)などにつきましては、お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

新創業融資制度」はもちろん「新規開業資金」よりも利用要件が緩く設定されています。借り手の過去の職種の経験は問わず、女性や若者、シニア層の方が起業するならば最大7200万円まで融資します、という他の金融機関では絶対にお目にかかれないような融資制度です。でも、この融資制度も「新創業融資制度」や「新規開業資金」と同じく、掲示されていない「ウラ情報」が存在します。わかりにくい部分も含めて以下に詳細を記載していきます。


女性、若者/シニア起業家資金は保証人や担保が必要です

新創業融資制度」は無担保・無保証人の融資制度でしたが、この女性、若者/シニア起業家資金は「新規開業資金」と同じく、担保や保証人が必要となります。

「保証人、担保(不動産、有価証券等)などにつきましては、お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。」
とやんわりと記載されていますが、「無担保・無保証人でお願いします」と希望を伝えても、聞き入れてもらえません。「同居している父親を保証人にします」と申し出ても、「同居していてはダメ!」と突き返されます。
借り手の希望どおりに担保や保証人を設定していては、担保や保証人の意味をなさなくなりますので、「その他」の記載は言葉は悪いですがでたらめな記載であり、正しくは、
「日本政策金融公庫が納得する担保や保証人を用意するように」
となります。
 
保証人や担保の基準は公開されていませんので何ともいえませんが、弊社のこれまでの経験から推測すると、
融資金額 担保や保証人の詳細
500万円ぐらいまで 第三者保証人を1名用意することを要求されます。保証人の資力はそれほど問われず、サラリーマンであり、毎月通常の給与(40万円ぐらい)をもらっている方ならば問題ないようです。
500万円超1000万円ぐらいまで 第三者保証人を最低1名用意することを要求されます。借りる金額がちょっと高額になってきますので、月額の給料が30〜40万といった金額では心許なく、それ以上の給与を取られている方や大企業・公務員といった人材を充てるか、複数人の保証人を用意することになります。
1000万円を超える融資を希望する場合 保証人の資力だけで返済できるのか?という融資金額になってきますので、不動産等の担保を求められることが多くなります。担保価値によっては第三者保証人も必要になります。
となっているようです。

第三者保証人とは、「全くの他人(知人・友人・親類等)」か「家族であっても生計が別であり、かつ別居している人」で保証人となってくれる方のことをさします。
 
保証人の職業は「毎月給料をきちんともらえるサラリーマン」が好まれます。大企業にお勤めであったり、公務員であるならば、文句なしです。逆に自営業者や中小企業の経営者という立場の方を保証人にしようとするとイヤな顔をされます。その方が経営している事業の財務状況によっては保証人として認めてもらえないこともあります。

保証人の所得水準についてですが、
融資を受けたい金額=保証人の所得
と考えていただければわかりやすいです。

保証人はあなたがお金を返せなくなったときに代わりに返済を行う立場の方です。年収360万円(月収30万円)の方を保証人にしても、1000万円の融資の返済(月額20万円ぐらいの返済)はどう考えてもできないのです。毎月受け取る手取り給与の金額と毎月の返済額を見比べれば、
 
 300万円の融資を受けるならば年収300万円ぐらいの方でも保証人はOK
 500万円の融資を受けるならば保証人の年収も500万円ぐらいは必要
 1000万円の融資を受けるならば保証人の年収も1000万円ぐらい必要
 
となります。
「1000万円を借りたいが、私の周りには年収1000万円の方なんていない」ということであれば、保証人を複数人用意して、保証人の合計年収を1000万円に近づける努力が必要になります。

もう一回記載しますが、「保証人はあなたがお金を返せなくなったときに代わりに返済を行う立場の方」です。金融機関が一番恐れていることは、
  「あなたが返済できなくなり自己破産してしまう」
  「保証人に返済を要求したが、保証人も返済できず自己破産してしまう」
ということです。こうなると融資をした金融機関は本当にお金を回収できなくなってしまいます。
 
そういった疑いをもたれないためにも、きちんと返済能力がある保証人を用意するようにしましょう。

 
担保についてですが、担保の価値は、
不動産の場合 路線価によって算出した金額の約60%
株式の場合 過去1年間の最安値の約60%
と考えます。
時価金額より結構低く考えられていますので注意してください。
 
不動産の担保に関してですが、下記のような不動産は担保にできません。

担保とは「あなたがお金を返せなくなったときに代わりに売り払い返済に充てる物件」なのです。いざというときに売却できないものは担保になりません。
 
株式の場合も同じです。
公開株式であり、市場にて日々価格がつけられている株式・有価証券ならば問題ありませんが、「未公開株式」というような「誰がどうやって価値を判定するのだ?」「欲しがる人はいるのか?」というようなものはダメです。


融資金額について

新創業融資制度」のように「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できる方」という条件はありません。
だからといって、好きな金額を申し込める、というものではなく、
 
  事業計画書にて融資を受けたい必要な金額をきちんと算出し、
  その金額に見合う保証人や担保を提供すること

 
は必要となります。

訪問介護事業所+居宅介護支援事業所の開業をお考えであれば、「開業資金・運転資金が確保できるかどうかを考えよう」で記載している、
   「事業所開業後半年間にて必要な経費支払(991万円)」
が創業に必要な資金に該当します。(この創業資金は人によって金額が全く変わってきます。991万円というのはあくまで一例です)
 
その「創業に必要な資金991万円」のうち、200万円を自分の預貯金などで捻出し、あと800万円の融資を受けたいとお考えであれば、800万円分の担保物件を提供するか、800万円の返済能力を持つ保証人を用意しなければいけません。
 
なお、女性、若者/シニア起業家資金も「新創業融資制度」と同じように、日本政策金融公庫の審査にて申込金額より減額されて融資が実行されることが結構あります。
 
融資申込み金額に見合った保証人や担保を提供しなければ、申込みが受理すらされませんが、申込みを受け付けてもらったからといって希望額が融資されるとは限りませんのでご注意ください。


女性、若者/シニア起業家資金を利用できる方は?

融資制度の名称そのままですが
  ・女性である・30歳未満の若者である・55歳以上のシニア層である
  ・事業開始後おおむね5年以内である

となっています。
年齢・性別の要件に関して言い換えると、「30歳〜54歳までの男性以外」ならば申し込むことができるということです。

なお、既に何らかの事業をはじめられており、開業から5年を経過されている方が「介護ビジネスにも進出しよう」ということならば、この女性、若者/シニア起業家資金は利用できないことになります。

また、「事業開始後おおむね5年以内」の要件には「個人事業時代も含む」とされていますので、
現在個人事業にて●●の事業を6年以上営んでいるが(税務申告を5期終えている)、会社を設立して介護ビジネスに進出したい
という場合でも当融資制度を利用できないことになります。

「個人事業を実は6年やっているが、一度も税務申告をしていないので、やっていなかったことにしよう」という方がときどきいらっしゃいますが、「6年間も無収入やった人がなんで数百万円も自己資金を持っているの?」「無収入の間どうやって生活資金を捻出したの?」という疑問を日本政策金融公庫の担当者に持たれますので、100%バレます。


「返済期間について」

・運転資金5年以内(うち据置期間6ヵ月以内)
・設備資金15年以内(うち据置期間3年以内)
 
と定められています。数千万円といった運転資金の融資を受ける場合は、返済期間を7年まで延ばしてもらえる可能性もあります。
 
訪問介護事業所を開業する場合、事務所・店舗の改装、車両の購入といった設備投資とは無縁の世界になりますので、おそらく「運転資金」としての借入となるはずです。よって、融資を受けた場合、5年かけて返済(つまり60回の分割返済)していくことになります。
 
据え置き期間とは、「融資実行後元本の返済を猶予される期間」です。つまり据置期間6ヶ月と定められたならば、融資実行後最初の6ヶ月間は「利息のみの返済」となります。
数ヶ月間だけですが元本の返済が猶予されることになりますので、その間に安定した売上を上げられるよう事業を軌道に乗せましょう。


「利率」について

・運転資金の場合:基準利率
・設備資金の場合:基準利率、特利C
 
となります。
担保や保証人を差し出して融資を受けることになりますので「無担保・無保証人」で融資が受けることができる『新創業融資制度』よりは低利にて借入を行うことができます。担保や保証人を差し出せる場合は、金利のことを考えればあえて「新創業融資制度」を利用せず、女性、若者/シニア起業家資金のほうがお得ともいえます。
 
ちなみに、日本政策金融公庫は毎月貸出金利が変更されます。
日本政策金融公庫の貸出金利はこちらで確認できます。
 
2008年7月の日本政策金融公庫の基準金利は「返済期間5年以内」の場合、2.65%ですので、新規開業資金を利用して運転資金を調達した場合、
   2.65%
という金利にて借入を行うことになります。

 

その他の新創業融資制度に関するマメ知識

業種の経験は無いよりはあった方が有利

「女性または30歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方や事業開始後おおむね5年以内の方」
 
という条件を満たし、担保や保証人を差し出すことができるならば、申し込むことができますが、業種の経験が問われていなくても、業種の経験はあった方が融資審査にて断然有利に働きます。
 
社長であるあなたに業種の経験がない・乏しい場合は、ビジネスパートナーとして業種経験豊富な方を役員として迎え入れた方が、何もしないよりは審査の際に好印象を与えます。
 
業種の経験年数ですが、長ければ長い方が有利です。最低でも2年、できることならば5〜6年の経験が欲しいところです。


他の金融機関からの借入がある場合は?

「他からの借入があってはダメ」という基準はありませんが、他の金融機関から借入がある人より、借入が全くない人の方が印象が良く映るのは事実です。
 
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンといった仮に他の金融機関から借入があったとしても、その毎月の返済金額が少額ならばそれほど融資審査には影響しません。
 現在返済している金額+今回の融資による返済金額=これからの返済金額
となりますので、「これからの返済金額が毎月無理なく返せる金額」に収まるならばいいのです。
しかしながら、「これからの返済金額」が高額になってしまう場合は、はっきりいって融資は無理です。返せない人にお金は誰も貸しません。
 
訪問介護事業は利益率30%、40%といった高収益構造の産業ではありません。利益率が5%ぐらいになれば財務的には超優良訪問介護事業所となります。
 
よって、既に借金がある人がさらに事業融資を申込み、訪問介護事業をはじめたとしても、
  現在の返済額:月10万円
  新規開業資金の返済額:月10万円
  合計:毎月20万円の返済
となってしまうと、毎月20万、30万といった返済ができるとは金融機関は考えません。


日本政策金融公庫とはいままで付き合いがないのですが、はじめてでも融資してもらえるの?

はい、融資してもらえます。過去の取引の有無は関係ありません。(住宅ローンや教育ローンを利用したことがあり、きちんと返済した実績があれば有利に働くかもしれませんが)
 
日本政策金融公庫は銀行や信用金庫とは異なり、一番馴染みのある「預金業務」を行っていません。よって、これから事業をはじめる方にとっては、これまでの取引実績や、付き合いがないのが当然なのです。

女性、若者/シニア起業家資金を利用する場合は、
  1. これからはじめる事業の内容をわかりやすく説明すること
  2. その事業を始めるにあたって必要なノウハウ、自己資金等をどのように準備をしてきたのかきちんと証明できること
  3. その事業からどれだけの儲けが出る見込みなのか、きちんと説明して「私に融資しても大丈夫です」と思わせること
  4. 融資を受けたい金額に見合った保証人や担保を用意すること
これらをきちんと準備し説明できれば、日本政策金融公庫はおそらくあなたに融資するでしょう。

「一般の金融機関から資金の融通を受けることが困難な小企業」に必要な資金を供給することが日本政策金融公庫の使命なのです。本Webサイトに記載した要件をきちんとクリアしていけば大丈夫なはず。(これだけきちんと準備して融資が下りなければ、ほぼすべての小企業がこの融資制度を利用できない)
 
恐れずに正々堂々と勝負を挑みましょう。

 

会社設立、訪問介護事業所開設手続だけでなく、創業融資申込みに必要な書類作成も承ります。

甲子園法務総合事務所では「訪問介護事業所開業のワンストップサービス」の一環として、
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の他に、
  日本政策金融公庫等の金融機関への創業融資手続に必要な
  書類作成代行及び創業融資手続に関するコンサルティング
   (事業計画書や収支予算書、創業計画書の作成代行等)

も承っております
 
訪問介護事業所をオープンさせるには当Webサイトにて記載しているように数多くの段階を一つ一つクリアしていかなければいけません。その段階を一つ一つクリアしていくためのコンサルティングパートナーとして弊社をご利用ください。お問い合わせをお待ちしております。

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 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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