介護雇用管理助成金とは?
介護事業への新規参入や、新規サービスの実施などに伴い、
・採用など人的管理、
・就業規則、賃金体系などの諸規程整備、
・健康確保、
・人材育成のための教育訓練
を行うことなど雇用管理改善のための事業を実施した場合に、助成金が支給されます。
訪問介護事業を本気で運営していくならば、登録ヘルパーと呼ばれる非常勤職員が大人数必要になってきます。人員規定に定められている「2.5人のヘルパー」だけでは事業は全くまわっていきません。派遣ヘルパーの確保のために開業時だけでなく絶えず求人をかけていくことになります。よって、多くの訪問介護事業所がこの助成金を活用されています。
支給される金額は、
雇用管理に要した経費の2分の1、最大100万円
です。
では受給要件などを詳しく解説していきましょう。
介護雇用管理助成金の対象となる介護事業
介護雇用管理助成金はどんな介護事業も支給の対象になるわけではありません。支給対象となる介護事業があらかじめ定められています。
対象となる介護事業は下記のとおりです。
【介護保険法関連】
訪問介護 訪問入浴介護 訪問看護、老人訪問看護
訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 通所介護
通所リハビリテーション 短期入所生活介護 短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護 福祉用具貸与、特定福祉用具販売
夜間対応型訪問介護 認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護認 知症対応型共同生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 居宅介護支援
介護福祉施設サービス 介護保健施設サービス 介護療養施設サービス
介護予防訪問介護 介護予防訪問入浴介護 介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション 介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所介護 介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護 介護予防短期入所療養介護
介護予防特定施設入居者生活介護
介護予防福祉用具貸与、特定介護予防福祉用具販売
介護予防認知症対応型通所介護 介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護 介護予防支援
【障害者自立支援法関連】
障害福祉サービス事業等
【児童福祉法関連】
知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設で行われる介護サービス
【その他】
移送サービス(介護タクシーなど)
要介護者への食事の提供(配食サービス)
その他の福祉サービス又は保健医療サービス
会社やNPO法人で実施できる介護保険法や障害者自立支援法に基づく介護事業はすべて対象となっています。
よって、「介護保険法に基づく訪問介護事業」をお考えの皆さんは、他の要件さえ満たせれば本助成金を申請することが可能です。
介護雇用管理助成金の受給要件は?
次の要件をすべて満たすことが必要になります。- 1、上記の新サービス実施に伴い、雇用管理改善事業を実施する事業主であること。。
- 労働者の採用や雇用管理担当者への研修の実施、就業規則の策定、従業員への健康診断など『雇用管理改善事業』を行う必要があります。
- 2、過去に本助成金又は介護人材確保助成金の支給を受けた場合は、最後の支給決定日の翌日から起算して1年を経過した後、新たに雇用管理改善事業を行った事業主であること。
- 同じ事業主でも要件を満たしていれば何度でも申請できますが、過去の申請から一定期間以上経過していることが必要です。
- 3、介護雇用管理助成金申請計画(助成金申請計画)や改善計画の認定を受けた事業主であること。
- 「1」の要件にあてはまる介護事業を開始する1ヶ月前までに、助成金申請に関する書類を提出し、受理されていなければいけません。つまり、介護事業を始める1ヶ月前には第一回目の申請を終えているということになります。
ここで「雇用管理改善事業」という聞き慣れない言葉が出てきましたので、雇用管理改善事業について、できるだけわかりやすく記載してみます。
雇用管理改善事業とは介護事業進出による良好な雇用の機会の創出に資する雇用管理の改善のためのもので次にあてはまるものです。
- 採用に関するもの
求人を目的としたホームページの作成、求人情報誌への掲載、採用パンフレットの作成、求職説明会の開催、学校への広報等 - 人的管理に関するもの
雇用管理担当者への研修の実施、適性検査の実施、カウンセリングの実施等 - コンサルタントへの委託に関するもの
雇用管理の改善に資する就業規則や賃金規定の策定等に係る相談等、職務分析の実施、雇用管理マニュアルの作成、評価制度の構築等 - 健康管理に関すること
健康診断の計画、健診項目の選定及び実施(短時間労働被保険者については、一般定期健康診断も対象)、腰痛防止バンドの購入等 - 新サービス提供に伴い必要となる職業訓練又はより高度な技能・技術等の修得をさせる為に必要となる職業訓練で以下に該当するもの。
- 事業主が事業所内で集合して行う教育訓練を自ら実施する場合
- 事業主が事業所外の専門機関等に委託して教育訓練を行う場合
- 雇用する一般被保険者(短時間労働被保険者を含む)の申し出により実施する通信制の訓練(事業主が経費を負担するもの)
- 介護サービスに関する講演会・セミナーの受講
- 有給教育訓練休暇を利用して行う教育訓練
その他助成金獲得に必要な条件は?
- 1、雇用保険の適用事業の事業主であること。
- 本助成金の財源は雇用保険ですので、従業員を雇用したら必ず雇用保険に加入する必要があります。
- 2、認定計画に定められた計画期間の最初の日の6ケ月前の日(介護事業を始める6ヶ月前)から、支給申請を行う日までの間において、事業主都合による離職者を生じさせていない事業主であること。
- 事業主都合による解雇は厳禁です。本助成金の財源は雇用保険ですので、当然の要件といえます。
- 3、介護労働者の雇用管理に取り組むとともに、当該労働者からの相談に応じる「介護労働者雇用管理責任者」を選任し、かつ、その選任した者の氏名の周知を事業所内に掲示等することにより行なっている事業主であること。
- 介護労働者の雇用管理にきちんと取り組むことが必要になります。
- 4、出勤簿、賃金台帳、労働者名簿等の書類を整備していること。
- 従業員の雇用状況を確認する為、必ず必要です。
- 5、会計帳簿がきちんと整備されていること。領収書類の保存も必要。
- これら帳簿がないと、助成金の金額の算定ができません。
- 6、労働保険料を過去2年間を超えて滞納していない事業主であること。
- 助成金の財源となる保険料を滞納しているような事業主には助成金は支給されません。
- 7、過去3年間に助成金の不正受給を行っていないこと。
- 過去に不正受給を行っていた事業主には助成金は支給されません。
受給できる金額は?
支給額は(1)と(2)の合計額となります。ただし、その金額が100万円を超える場合は100万円となります。(1)雇用管理改善に係るもの(教育訓練を除く)
支給額
改善計画期間内に実施した事業経費の2分の1。ただし、次の1及び2に該当する場合は3分の2 (助成額が5万円以上の場合に限ります)となります。
- 健康診断を初めて実施した場合
(一般定期健康診断を除きます。ただし、短時間労働被保険者については、一般定期健康診断は対象となります) - 既に雇用している労働者であって、通常の労働者及び短時間労働者以外の者(雇用保険被保険者とならない者)を、1人以上通常の労働者または短時間労働者(雇用保険被保険者に該当する者)とし、同時に雇用管理改善事業を実施した場合
支給額
| 事業内での実施 | 事業外の教育訓練施設への委託 | |
| 経費助成 | 対象職業訓練コースの費用の1/2(ただし1コース1人当たり10万円を限度) | 対象職業訓練を受講させるために要した入学金及び受講料の1/2(ただし1コース1人当たり10万円を限度) |
| 賃金助成 | 所定労働時間内の訓練を受ける期間又は時間に支払った賃金の1/2 (150日を限度) |
|
介護雇用管理助成金は他の助成金と『併給』できます
原則として、助成金は併給(他の助成金と同時申請すること)ができないのですが、この介護基盤人材確保助成金に関しては、他の創業に関する様々な助成金と同時申請して、助成金を併給することが可能となっています。(もちろん、申請する助成金の要件を満たしていなければいけませんが)
介護雇用管理助成金と併給できる助成金は次のとおりです。
例えば、受給資格者創業支援助成金は、
- 「雇用保険の受給資格者自らが創業し、創業後1年以内に従業員を雇い、雇用保険の適用事業の事業主となった場合に助成金が支給される」
というものですが、介護雇用管理助成金の計画に基づいて求人広告などを出稿しているならば、受給資格者創業支援助成金をもらいつつ、介護雇用管理助成金の支給も受けることが可能となります。
併給するには、それだけ支給要件の確認や申請書類作成の手間は増えることになりますが、支給される金額も増えます。申請要件をどちらも満たしそうな場合は、是非併給を視野に入れてみてください。
介護雇用管理助成金申請時のポイント・注意点
1、介護基盤人材確保助成金は、介護事業を始める1ヶ月前までに最初の申請を済ませておく必要があります。申請期日に一日でも遅れてしまうとその後条件を満たしたとしてもアウトです。助成金は支給されません。「介護事業を始める1ヶ月前」ということなので、役所へ事業者指定申請の届出を提出するのと同じ時期に最初の申請を行うことになります。
2、訪問介護事業所は人員要件の関係上、あなたお一人だけでは絶対に開業できません。訪問介護事業を本気で運営していくならば、登録ヘルパーと呼ばれる非常勤職員が大人数必要になってきます。人員規定に定められている「2.5人のヘルパー」だけでは事業は全くまわっていきません。派遣ヘルパーの確保のために開業時だけでなく絶えず求人をかけていくことになります。求人誌への掲載費用も助成対象となっていますので、金額の大小は別として、他の要件さえ満たせればかなりの確率で、介護雇用管理助成金の支給を受けられることになります。
3、よって、介護事業を行われる方は、事業所立ち上げ当初から求人活動を行わない場合でも、できるだけ本助成金の申請を行っていてください。何度も記載しているように訪問介護事業は1名では実施できません。最少人数で訪問介護事業所を立ち上げたとしても最低3〜4名の人員が必要です。実際のところ3名や4名では事業実施は不可能ですので、絶えず求人募集を行っていくことになります。事業開始時の半年間の求人誌掲載料金の2分の1が助成されるのは、金額的にも大きなものになるのではないでしょうか?
助成金の申請のお考えの皆様へ
※助成金は「必ず支給される」というものではありません。上記に記載しているのはあくまで「申請を行う為の条件」です。申請が受理された後に審査が行われ、支給の可否が決定されます。
※助成金はすぐに支給されるものではありません。介護雇用管理助成金の場合は、介護事業を開始してから約1年〜2年後の支給となります。よって開業資金のアテにはできません。「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。
※助成金で支給される金額は「実際に支払った経費以下(1/2とか1/3など)」です。無理して支給要件にあてはめても損するだけです。下手をすると助成金支給まで会社がもちません。
※助成金の獲得には膨大な事務作業を必要とします。助成金を取得するには必ず「雇用保険・労災保険」に加入しなければいけません。給与の支払いを証明する為に給与台帳等をきちんと整備し保存しなければいけませんし、経費の支払いを証明する為に会計帳簿・領収書類の整備、保存も必要です。健全な会社・事業運営を行っていくには当たり前の事務作業ばかりですが、これら事務作業がきちんとできていないのが日本の中小企業の実情です。よって、作業をすべて外注してしまうと助成金としてもらえる金額以上に経費がかかることも考えられます。
助成金まとめ
助成金の支給金額をアテに事業展開するのではなく、あくまで「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。
ただし、支給されたときの喜びは何とも言えないものがあります。
仮に100万円が助成金として支給されたとしましょう。
介護事業で100万円の利益を出すにはどれだけ働かないといけないか・・・
それが申請するだけで(その作業が大変なのですが)もらえてしまうのですから。。。
助成金申請も弊社提携専門家とタッグを組んでサポートいたします
訪問介護事業開業手続、会社・法人設立業務、会計・経理・給料計算事務業務だけでなく、助成金に関するアドバイスも助成金申請の専門家である社会保険労務士と協力して弊社にて承っております。
川添社会保険労務士事務所 川添 章(兵庫県宝塚市)
小林社会保険労務士事務所 小林 勝(大阪市中央区)
上で説明させていただいたように助成金は、
「会社を設立したり介護事業を始めたり、従業員を雇用する前に何らかの手続が必要」
ということになります。
手順を一つでも間違ってしまうと、受給要件を満たせなくなってしまうのも「助成金」です。
訪問介護事業所開業手続とあわせて助成金獲得に関しても弊社をご利用下さい。
来所いただいての相談は無料で承っております。


訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。
そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。
必見! 訪問介護事業所開設手続を専門家に依頼するメリットは?


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行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
【藤井 達弘】

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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。

女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。

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