高年齢者等共同就業機会創出助成金とは?

45歳以上の高年齢者3人以上がその職業経験を活かし、共同して創業(法人設立)し、45歳以上の高年齢者を従業員として1名以上雇用した場合に、助成金が支給されます。
 
介護保険の適用を受ける介護事業を行う場合、「会社や法人」でなければ事業の許可がおりませんので、会社・法人を経営されていない方は、「会社・法人の立ち上げ」から取りかからなければいけません。高年齢者等共同就業機会創出助成金はそういった「一から事業を立ち上げる方向きの助成金」といえます。
 
「3人で創業して、さらに一人を従業員として雇用する」ことになりますので、総計4名で事業を行うことになります。よって、訪問介護事業所だけの立ち上げではこの要件を満たすことは難しく、『訪問介護事業所+他の介護事業』というように、最初から手広く介護事業を創業される方向きの助成金です。
 
受給要件が厳しく定められていますが、その分もらえる金額も大きいです。
支給される金額は、都道府県によって異なるのですが、
 兵庫県の場合:
 創業後6ヶ月以内に支払った創業経費の3分の2(500万円を上限)
 大阪府の場合:
 創業後6ヶ月以内に支払った創業経費の2分の1(500万円を上限)
です。
 
では受給要件などを詳しく解説していきましょう。

 

受給できる金額は?

高年齢者等共同就業機会創出助成金は下記の金額が助成されます。
(会社や法人を設立する都道府県によって金額が異なるので注意)

「創業後6ヶ月以内に支払った創業経費の3分の2(2分の1)」に関してもう少し詳細に説明すると、まず、ここでの「創業経費」とは次のような経費を指します。

1、法人設立に関する事業計画作成経費その他法人設立に要した経費(150万円を限度とします)
具体的には次のような費用が該当します。
  1. 会社・法人設立に関する経営コンサルタント等の相談経費(雇用管理に係る相談経費を除く。50万円を限度とします)◆法人の設立登記等に要した経費(法人の設立に必要な最低限の期間(概ね法人設立日前1か月程度)内に費用が発生し、当該設立準備期間内、又は法人の設立登記の日から起算して6か月が経過する日までに支払いが完了したものに限る。)
  2. 高齢創業者が会社・法人の設立や事業開始のために不可欠な知識を習得するための講習又は相談に要した経費(税務や資金繰り等、起業に関する一般的な知識を付与するもの。ただし、法人設立に関する経営コンサルタント等の相談及び事業内容に関する講習等を除きます。また、設立準備期間内に費用が発生し、法人の設立登記の日から起算して6か月が経過する日までに支払いが完了したものに限ります。)
  3. その他の法人の設立に係る必要最低限の経費(設立準備期間内に費用が発生し、法人の設立登記の日から起算して6か月が経過する日までに支払いが完了したもので、管理業務に関するものに限る。)
2、法人の運営に要する経費(法人の設立登記の日から起算して6か月が経過する日までに費用が発生し、当該期間内に支払いが完了したものに限る。)
具体的には次のような費用が該当します。
A、職業能力開発経費
事業を円滑に運営するために必要な、役員及び従業員に対する教育訓練経費等
B、設備・運営経費
事業所の改修工事、設備・備品、事務所賃借料(6か月分を限度)、広告宣伝費等
ただし、労働者の派遣受入費用、不動産の購入費、建物の新築・増築費、原材料・商品等の購入費、事務所等の賃借に係る敷金、特許権・営業権等の独占的使用権等の取得費用、各種税金、保険料等は支給対象外経費となります。
 
ここで「高齢創業者」という聞き慣れない言葉が出てきましたので、高齢創業者について、できるだけわかりやすく記載してみます。
高齢創業者とは次のいずれにもあてはまる方のことです。
  1. 法人の設立登記の日において、45歳以上であること。
  2. 法人の設立登記の日から起算して1年前の日から当該法人設立の日の前日までの期間に離職した者のうち、直近の離職理由が自己都合でないこと。又は個人事業主や法人の役員(雇用労働者を除く)であったものでないこと。
    ※つまり起業の為に自己都合で会社を退職され一年を経過していない方は、対象外となります。
  3. 法人の設立登記以後、助成金の支給申請日までの間、当該法人以外の役員・雇用労働者・個人事業主等でないこと。
    創業後は事業に専念していることが必要です。「生活の為に他の会社でアルバイト」ということも許されません。
  4. 当該法人の設立時の出資者であり、法人設立日以降、継続して当該法人の業務に従事していること。
    きちんと給料をもらって業務に従事してください。
 

高年齢者等共同就業機会創出助成金の受給要件は?

次の要件をすべて満たすことが必要になります。
1、3人以上の高齢創業者の出資により新たに設立された法人の事業主であること。
助成金の名前に「共同就業機会創出」とつけられているぐらいですから、複数人で力を合わせて創業しなければいけません。
2、上記の高齢創業者のうち、いずれかの者が法人の代表者であること。
「若者の起業の為に名義を貸す」ということは厳禁。
3、「1」の高齢創業者の議決権の合計が総株主(総社員)の議決権の過半数を占めていること。
共同して創業する方達が経営権を持ち続ける為に、他の方の出資比率に制限が設けられています。
4、第一期終了時点の自己資本比率(自己資本を総資本で割り100を乗じた比率)が50%未満である事業主であること。
事業が軌道に乗り、利益が出ている会社ほど自己資本比率は高くなります。よって、自己資本比率が50%を超えるような優良企業にはこの助成金は交付されません。
5、高年齢者等共同就業機会創出事業計画書を申請期間内に提出し、認定を受けた事業主であること。
申請期間内に所定の書類を都道府県雇用開発協会に提出する必要があります。これが第1回目の申請書類提出となります。
6、支給申請日(2回目の申請)の時までに、高年齢者等(45歳以上65歳未満の求職者)を雇い入れ、その後も継続して雇い入れること。
助成金の2回目の申請の時(創業後約6ヶ月後)までに高年齢者に該当する労働者を雇用しなければいけません。

その他助成金獲得に必要な条件は?

1、雇用保険の適用事業の事業主であること。
本助成金の財源は雇用保険ですので、従業員を雇用したら必ず雇用保険に加入する必要があります。
2、事業の実施に必要な許認可等を受けていることをはじめとして、法令を遵守し、適切に運営するものであること。
国がお金を出すわけですから、当然違法性がある事業は助成金の対象外となります。適切に許可を受けて介護事業を営んでいれば問題ありません。
3、支給対象となる労働者の離職前の事業所との間で、営業の譲渡、事業の分割など、事業内容の同一性がある事業主でないこと。
雇用される労働者と助成金を申請する会社・経営者の間で、雇用前から何らかの関係があってはいけません。
4、法人等の設立の日から、常用労働者を事業主都合で解雇したことがない事業主であること。
雇用保険が財源なので、事業主の都合で解雇するような会社には助成できません。
5、出勤簿、賃金台帳、労働者名簿等の書類を整備していること。
従業員の雇用状況を確認する為、必ず必要です。
6、会計帳簿がきちんと整備されていること。領収書類の保存も必要。
これら帳簿がないと、助成金の金額の算定ができません。
 

高年齢者等共同就業機会創出助成金申請時のポイント・注意点

1、『こんな要件にあてはまる起業家がいるのか?』というぐらい支給要件が厳しい助成金です。その分要件にあてはまる方は、高額の助成を受けられます。

2、『高年齢者が3人以上集まり法人を設立し業務に携わり、、さらに労働者として高年齢者を1名以上雇用する』ということで、最低でも4名以上で事業を行っていくことになります。創業当時からかなりの規模で事業展開される方しかこの助成金の申請はオススメしません。訪問介護事業しか実施しないということであれば、この助成金の申請はかなり厳しくなります。

3、高年齢者等共同就業機会創出助成金は、「いつ会社や法人を設立したか?」で申請書類の提出期日が定められています。申請期日に一日でも遅れてしまうと条件を満たしたとしてもアウトです。助成金は支給されません。

4、事業が想像していた以上に軌道に乗るのが早く、第一期目から大きく黒字になった場合は、「自己資本比率の要件」に該当してしまい、助成金は支給されません(経営的には喜ばしいことなのですが)。『第一期終了後の財務状況』という不確定要素に左右される助成金ですので、「絶対に受給できる」とは考えないでください。

 

助成金の申請のお考えの皆様へ

〜下記注意事項を必ずご確認下さい〜

助成金は「必ず支給される」というものではありません。上記に記載しているのはあくまで「申請を行う為の条件」です。申請が受理された後に審査が行われ、支給の可否が決定されます。

助成金はすぐに支給されるものではありません。高年齢者等共同就業機会創出助成金の場合は、会社を設立したり、従業員を雇用してから約半年〜1年後の支給となります。よって開業資金のアテにはできません。「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。

助成金で支給される金額は「実際に支払った経費以下(1/2とか1/3など)」です。無理して支給要件にあてはめても損するだけです。下手をすると助成金支給まで会社がもちません。

助成金の獲得には膨大な事務作業を必要とします。助成金を取得するには必ず「雇用保険・労災保険」に加入しなければいけません。給与の支払いを証明する為に給与台帳等をきちんと整備し保存しなければいけませんし、経費の支払いを証明する為に会計帳簿・領収書類の整備、保存も必要です。健全な会社・事業運営を行っていくには当たり前の事務作業ばかりですが、これら事務作業がきちんとできていないのが日本の中小企業の実情です。よって、作業をすべて外注してしまうと助成金としてもらえる金額以上に経費がかかることも考えられます。

 

助成金まとめ

助成金の支給金額をアテに事業展開するのではなく、あくまで「事業がうまくいったときの国からのご褒美」としてお考え下さい。
ただし、支給されたときの喜びは何とも言えないものがあります。
仮に100万円が助成金として支給されたとしましょう。
介護事業で100万円の利益を出すにはどれだけ働かないといけないか・・・
それが申請するだけで(その作業が大変なのですが)もらえてしまうのですから。。。

 

助成金申請も弊社提携専門家とタッグを組んでサポートいたします

訪問介護事業開業手続、会社・法人設立業務、会計・経理・給料計算事務業務だけでなく、助成金に関するアドバイスも助成金申請の専門家である社会保険労務士と協力して弊社にて承っております。

  ※弊社提携社会保険労務士
   川添社会保険労務士事務所  川添 章(兵庫県宝塚市)
   小林社会保険労務士事務所  小林 勝(大阪市中央区)

上で説明させていただいたように助成金は、
「会社を設立したり介護事業を始めたり、従業員を雇用する前に何らかの手続が必要」
ということになります。

手順を一つでも間違ってしまうと、受給要件を満たせなくなってしまうのも「助成金」です。

訪問介護事業所開業手続とあわせて助成金獲得に関しても弊社をご利用下さい。
来所いただいての相談は無料で承っております。

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訪問介護事業所開業手続は甲子園法務総合事務所にお任せ下さい

 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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