見た目は「訪問介護」、でも実際は種類が異なるという介護サービスが数多く存在します。

介護事業には「訪問介護事業」「通所介護事業(デイサービス)」「訪問看護事業」「居宅介護支援事業所(ケアプラン作成事務所)」というように提供するサービスの内容により、数多くの種類に区分されています。

訪問介護事業は、「訪問介護事業とは?」で記載したように、
ホームヘルパーや介護福祉士など世間で「ヘルパーさん」と呼ばれる方が介護を必要とする高齢者の家庭を訪問して、食事、入浴、排泄の介助や炊飯、掃除、洗濯といった日常生活を手助けするサービス。
という内容なのですが、紛らわしいことに、このサービスに類似した他の介護事業も存在します。

介護事業に携わったことがある方ならば、この違いをすでに理解されていると思うのですが、「これから介護事業に参入しようか?」とお考えの経営者の方や起業家の方にとっては、その違いがちょっとわかりづらいものになってしまっています。
 
そこで、できるだけわかりやすく訪問介護事業と類似する事業をまとめてみました。
訪問介護事業所を開業してから「えっ! このサービスはできないの?」ということがないようにしておきましょう。
 
ちなみに本Webサイト「訪問介護のはじめかた」で説明している「訪問介護」は、
 
   介護保険法に基づく訪問介護事業・介護予防訪問介護事業
 
のことです。

 

高齢者を対象とした介護サービス(介護保険法に基づくサービス)で訪問介護と紛らわしい事業

 
夜間対応型訪問介護
主に「要介護3」以上の人が、
  夜間の定期的な巡回訪問介護サービスと、
  利用者に呼び出し用の端末を渡して通報に応じ、随時来てもらうサービス
を組み合わせて利用する介護サービスです。従来のあらかじめ曜日と時間を決めて行う訪問介護では対応できなかった介護ニーズに幅広く対応することが出来ます。

緊急の連絡を受け付けることができるコールセンターの設置や緊急通報器機の準備、待機しているヘルパーの仮眠室の準備など介護ビジネスにこれから参入する方がいきなりこの要件を満たして事業展開することは不可能に近く、また、許可を出す役所も、夜間対応型訪問介護を実施するには介護業務の経験をかなり要すると考えており、許可取得要件に「介護事業を●年間経営していること」という条件を付しています。
 
これから介護ビジネスをはじめられる方は、この夜間対応型訪問介護事業の開業許可が取得できるよう、事業所経営を軌道に乗せることを目標に経営していきましょう。

 
福祉有償移送サービス
車両にて有料(乗車運賃をとって)で行う病院や施設への送り迎えなどのサービスです。「福祉タクシー」や「介護タクシー」とも呼ばれています。訪問介護の「通院等乗降介助」を実施するにはこの福祉有償移送サービスの許可が必ず必要です。「訪問介護事業所の許可」だけでは車で送り迎えして介護報酬を徴収することはできませんので注意してください。

「車で送り迎えした対価として料金を徴収する」ということでやっていることは「タクシー」と何ら変わらないので、「福祉有償移送サービス」の許可は「タクシーの許可取得」とほぼ同一のものとなります。よって、
  「二種免許をもったドライバー(ヘルパー)」
  「タクシーに使用可能な車両」
が必要になってきます。
 
介護度が進行してくると、自力で病院まで通院することが難しくなってくるので、この「通院等乗降介助」を希望する声が高まってくるのですが、通常の訪問介護事業所が上で挙げたような、
  「二種免許をもったドライバー(ヘルパー)」
  「タクシーに使用可能な車両」
といった条件を満たすことは費用的に難しく、
 
  サービス希望者は多いがサービス提供できる事業者はほとんどいない。
 
という「参入した者勝ち」の状態が現在発生しています。
 
他の訪問介護事業所と差別化を図るということで、この「福祉郵送サービス」の許可を取得されるところは多いです。

 

障害者を対象とした介護サービス(障害者自立支援法に基づくサービス)で訪問介護と紛らわしい事業

訪問介護事業は「介護保険を利用したサービス」であり、高齢者を対象としています。介護ビジネスには「障害を持たれた方」を対象にしているものもあります。ここでは障害者自立支援法で定められた介護サービスで「訪問介護」と似ているサービスを説明していきます。

居宅介護
障害を持たれた方の自宅において入浴、排泄又は食事の介護等の便宜を提供するもの。呼び方は「居宅介護」と異なるが、障害者向けの訪問介護事業と考えていただければわかりやすい。サービス内容はほぼ「高齢者を対象とした訪問介護」と同じです。

サービス内容が同じなので、事業所開設許可の条件も「訪問介護」と同じになります。言い換えると、高齢者向けの「訪問介護事業所」の開業許可を取得できれば、別途申請さえ行えば、障害者向けの「居宅介護」の開業許可も取得できる、ということです。
 
事務所の基準・人員の基準と全く同じなので、利用者獲得の窓口を広げるために、「訪問介護事業」の許可取得と同時に「居宅介護」の許可を取得される方が多数おられます。

 
重度訪問介護
「重度の肢体不自由者であって常時介護を必要とする障害者に対して、居宅において入浴、排泄又は食事の介護等の便宜及び外出時の移動中の介護を総合的に提供すること」と政府が発行した書類に記載されています。もっとわかりやすく記載すれば上で説明した「居宅介護」を重度の障害を持たれた方に提供する、ということです。

サービスの内容が「居宅介護」と大して変わらないので、事業所開設の許可基準も「居宅介護」と変わりません。別途届出さえ行えば「重度訪問介護」のサービスを提供できるようになります。よって、
「訪問介護(高齢者)」が開設できるならば、別途届出さえ出せば「居宅介護(障害者)」「重度訪問介護(重度の障害者)」も開業できる。
ということになります。

 
移動支援
障害者・障害児の外出をサポートするサービスです。車での外出を有料でサポートする場合はタクシーとやっていることが同じということになりますので、「福祉輸送サービス(介護タクシー・福祉タクシー)」の許可が必要となります。

前述の居宅介護や重度訪問介護の開業許可を得ていれば、届出だけでサービス実施できる自治体が多数を占めますが、実際にサービスに従事するヘルパーに関しては別途規定があり、「居宅介護従事者養成研修課程(一般的に「ガイドヘルパー」と呼ばれています)」の資格が必要とされています。
 
ヘルパーさんの中に「ガイドヘルパー」の資格を持たれている方がいれば、その方に関しては移動支援のサービスを実施できますが、通常のヘルパー資格しかもたれていない方は、事業所開業の許可を得ていたとしても、移動支援に関するサービスは実施できません。

 
行動援護
知的障害又は精神障害により公道上著しい困難を有する障害者等で常時介護を必要とする者に対して、行動する際に生じる危険を回避するために必要な援護、介護を提供します。

私の兄が重度の知的障害を患っているのですが、普段普通に歩いていてもいきなり意識がなくなり倒れることがあります。こういった重度の障害を持たれている方が外出する際に伴う危険をいち早く察知し回避する(倒れそうになったら抱きかかえて転倒を阻止する等)という介護サービスです。
 
この介護サービスはさすがに通常のヘルパー資格では実施できませんので、別途要件が定められています。

 

甲子園法務総合事務所では「訪問介護事業」だけでなく「夜間対応型訪問介護」「居宅介護」「重度訪問介護」「移動支援」「行動援護」「福祉輸送サービス(介護タクシー)」と世間一般的に「訪問介護と呼ばれているサービス」すべての開業手続をサポートすることが可能です。

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 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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