訪問介護事業所の利用者獲得方法は?

訪問介護とは?」のWebページにも記載していますが、介護保険を利用した訪問介護サービスの利用までの流れを簡単に説明すると下記のようになります。

1.介護保険の認定を受けている利用者が居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)に相談・申込みを行います。
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2.利用者の希望・状況を把握するため、居宅介護支援事業所の担当員(ケアマネージャー)が利用者宅に訪問します。
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3.ケアマネージャー(介護支援専門員)が「この利用者にはこのケアプランが最適だろう」と考え、その考えに基づきサービス計画書を作成し、サービスを受けるご本人・御家族等でプランについて検討・調整を行います。
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4.ケアプラン(介護サービス計画)をもとに訪問介護事業所が利用者宅を訪問し、重要事項説明書による説明と同意により、サービス提供契約の締結をします。
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5.訪問介護サービス提供の開始です。
ヘルパーさんが利用者宅を訪問し、ケアプランに沿ったサービスを提供します。

このように、「どこの訪問介護事業所のサービスを利用するか?」は「3」の段階で決定されます。つまり、訪問介護事業所を経営するあなたが知らないところで、
  ケアマネージャー  と
  利用希望者本人およびそのご家族
の方が決定するのです。
(ケアプランを立てる際に訪問介護事業所に「あなたの事業所をケアプランに組み込んでもいい?」という連絡はありますが、ケアプランを立てる際の意志決定に参加できるわけではありません)
 
訪問介護事業所に「訪問介護のサービスを利用したいのですが、、、」と利用希望者が訪ねてくるわけではありません。(その可能性がゼロではありませんが、そういったことはほとんどありません)。

また、訪問介護事業は国によりサービス内容や価格の上限が厳しく制限されていますので、どこの事業所の訪問介護サービスを比べても、事業所が健全に経営されている限り、それほどサービス内容に差が出ません。負担金額はどこの事業所を利用してもほぼ一緒です。
なので、よほど評判が良い訪問介護事業所を知らない限り、
「きちんとサービス提供されればどこの訪問介護事業所でもいいです」
と利用者及びそのご家族が答えがちになります。
 
よって、訪問介護事業所をオープンさせた後に「利用希望者はいつ相談に来てくれるかな〜」と首を長くして待っていたとしても、誰も来ず、資金が尽きて「廃業・事業所閉鎖」という道をたどることになってしまうのです。

そこで、訪問介護事業所は利用者獲得のために、
「ケアプランを作成するケアマネージャー・居宅介護支援事業所」
「利用者になる高齢者がよく集まる場所(医療施設や町内会・老人会など)」
に自らの存在をアピールするため営業に出かけなければいけません。

上記のサービス提供の流れの『3』の部分にて利用する事業所が決定してしまうのは介護保険の制度上どうすることもできませんので、訪問介護事業所の経営者は、
  1. ケアマネージャーに自分が経営する訪問介護事業所をアピールし、
  2. 自分が経営する訪問介護事業所を利用してくれるケアマネージャーを確保すると共に、
  3. 高齢者に自分の経営する事業所の存在を知ってもらい、『●●の訪問介護事業所を利用したい』と指名させる
ことに全力を注がなければいけないのです。
 
 
 

居宅介護支援事務所の実情は?

 
訪問介護事業参入のデメリット」に少し記載していますが、
現在日本に存在する「居宅介護支援事業所(ケアマネージャーによるケアプラン作成の事務所)」の半数以上が「訪問介護事業所との併設」となっている。よって、訪問介護の需要がある場合は併設されている訪問介護事業所をケアプランに組み込むことが多く、あなたが経営する事業所をケアプランになかなか組み込んでもらえない。
となっています。
 
なぜこのような状況になってしまったのかといえば、
訪問介護事業所が利用者獲得の一番手っ取り早い方法として、「どこの事業所のサービスを利用するか?」を決定する一番の要である居宅介護支援事業所を併設してしまった。
という理由が考えられます。
それともう一つ理由がありまして、
「居宅介護支援事業所だけを経営しても、全く利益にならない(経営者の生活費すら稼げない)」
のです。

介護事業にこれから参入される方には非常に重要なポイントになりますので、何度もこの文章を読み直して、必ず現状を理解してください。このポイントを理解され、この問題に対する対策の答えを見つけだされ、実行されている方が「介護ビジネスでの成功」を勝ち取られている経営者です。

 
↓↓ココから

居宅介護支援事業所の主な仕事は、
「介護保険の利用者の為にケアプランを作成し、必要な介護サービスを適切に利用できるよう、関係機関と調整を行うこと」
となります。居宅介護支援事業所にて、ケアプラン作成の業務に携わる人員が「介護支援専門員(ケアマネージャー)」という資格を持つ者です。
 
このように居宅介護支援事業所とケアマネージャーは介護保険制度にて最も重要な位置を占めていることになります。

居宅介護支援事業所の収入源は、
  「ケアプランを1件作成すれば●●円」
と定められている介護報酬です。
通常、介護保険のサービスは、
  「1割が自己負担」
  「残り9割は国(行政)が負担」
となるのですが、どのような境遇にある高齢者も適切に介護保険制度が利用できるように、との理由で、ケアプランの作成に関しては全額公費にて賄われます。つまり、ケアプランを作成してもらう利用者の自己負担額は0円です。
 
よって、ケアプランそのものは「ケアマネージャー」以外にも「介護保険の利用者」や「そのご家族」でも作成はできるのですが、居宅介護支援事業所に依頼すれば無料でやってもらえますので、「ケアマネージャーが全く誰もいない・全く足りていない」という地域を除いて、誰も自分でケアプランを作成していないのが実情です。

さて、このケアプラン作成に伴う介護報酬ですが、大変重要な仕事をしている割には結構低い報酬金額に抑えられており、
  要介護1〜2:1件あたり1万円
  要介護3〜5:1件あたり1万3000円
という金額が標準になります。要件を満たせれば金額が加算されることもありますが、上記の金額が2倍・3倍になるわけではなく、また加算要件も厳しめに設定されていますので、上の金額にて考えてもらって結構です。
 
さらに居宅介護支援事業所には「利用定員(ケアプランを作成できる上限)」が定められています。
所属しているケアマネージャー1人につきケアプラン作成数が40件未満ならば、
  要介護1〜2:1件あたり1万円
  要介護3〜5:1件あたり1万3000円
となるのですが、所属しているケアマネージャー1人につきケアプラン作成数が40件以上60件未満の場合は、
  要介護1〜2:1件あたり6000円
  要介護3〜5:1件あたり7800円
となり、さらに数が増えると
  要介護1〜2:1件あたり4000円
  要介護3〜5:1件あたり5200円
となってしまいます。
 
従って、要介護1のケアプランを40件作成すれば
  1万円×40件=40万円の収入
となりますが、要介護1のケアプランを50件作成しても、
  6000円×50件=30万円の収入
となり、40件を超えてケアプラン作成を行うと、仕事は増えるが収入は減ってしまう構造になっているのです。
よって、「ケアマネージャーが極端に少ない地域」を除いて、誰も40件を超えるケアプランの作成はしません。働いても損するだけですので。

仮に要介護3〜5の方ばかりのケアプラン作成を40件請け負ったとしましょう。
この場合、1万3000円×40件=52万円の収入。
ケアマネージャーが1人で居宅介護支援事業所を開業した場合、この52万円が1ヶ月で稼ぐことができるMAXとなります。
 
介護度の認定を受けている高齢者の分布をみてみると、
『介護度が軽い人ほど人数が多く、介護度が重くなるに従って、人数は減っていく』
となります。要介護度1〜2の人の方が要介護度3〜5の人たちより圧倒的に人数が多いのです。
普通に考えれば「要介護3〜5」の方だけのケアプランを組むことはできません。
通常、要介護1〜2の方:25人
    要介護3〜5の方:15人
というような割合になるでしょう。
 
そうなると収入の上限は、
  10000円×25人+1万3000円×15人=44万5000円
となります。
加算がついたとしても、1ヶ月あたり45万〜50万円という金額がケアマネージャー1人で稼ぐことができる金額の上限です。
 
この収入が全額給料としてケアマネージャーが受け取ることができればいいのですが、当然、ここから「事業所の経費」を差し引くことになります。
差し引かれる経費には「事業所の家賃」「電話・プロバイダー料金」「水道光熱費」「交通費」「コピー機のリース料」「業務ソフトのリース料」「事務用品費」「打ち合わせ時の飲食代」などが挙げられます。
弊社でも、居宅介護支援事業所の経理を何社か代行したことはありますが、ケアマネージャーが1人で居宅介護支援事業所を開業した場合、そのケアマネージャーの収入(給料)は20万円ほどにしかなりません。
 
ケアマネージャーを5人、6人と雇用し、事務所家賃やコピー機リース料を分担できるようにしたとしても、ケアマネージャー1人あたりの給料は25万円が限度になります。
 
このように介護保険制度にて非常に重要な位置を占めるケアマネージャーですが、資格取得も難しいケアマネージャーなのですが、「給料」という金銭面では全く優遇されていません。
 
25歳前後の世帯を持っていない若者ならば20〜25万円の月収でも生活は可能かもしれませんが、妻子を養っていくとなると、居宅介護支援事業所を経営してそこから収入を得る、といいうことは現在の介護報酬ではあきらめざるを得ません。
 
この理由により、「居宅介護支援事業所の単独経営」というところはほとんど存在しないのです。100件居宅介護支援事業所があったならば単独の事業所は10件ほどでしょう。(おそらく別会社にて他の介護事業を営んでいるところもありますので、本当の単独の居宅介護支援事業所は100件中1〜2件だと思われます)


今度は訪問介護等の「サービスを提供する事業所」の立場からみていきましょう。
 
訪問介護事業所や通所介護事業所、福祉用具貸与事業所など「実際に介護サービスを提供する事業所」は、居宅介護支援事業所のケアマネージャーに自らの事業所を利用してもらうケアプランを組んでもらわなければ、利用者はいつまでたっても現れません。
 
訪問介護事業参入のメリット」にも記載していますが、「訪問介護」や「福祉用具貸与・販売」「訪問看護」といった施設の準備が不用な訪問系サービスにとっては介護ビジネスは「利用者さえ獲得できれば結構オイシイビジネス」となります。ある程度の利用者さえ獲得できれば、「ケアマネージャーに支払う給与の一部を訪問介護事業の利益から支出しても十分成り立ってしまう」のです。
 
訪問介護事業だけを開業するのと比べれば、必要人員は増えますし、事務所はちょっと広く確保しなければいけませんので、必要開業資金は大きくなってしまいますが、軌道にさえ乗ってしまえば、開業時の投資資金も十分回収可能となります。

そこで、訪問介護事業所などのサービス提供事業所の経営者は、
  「ケアマネージャー募集。月収25〜30万円」
という求人を出して、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を併設させてしまうのです。求人に応募するケアマネージャーも、自分で普通に開業していては決して得られることがない「月収25〜30万円」という給料が得られますので、両者の利害が一致することになります。
居宅介護支援事業所を開設したいケアマネージャーも、同じように考え、
  「訪問介護事業所オープンにつき、ヘルパー募集」
と求人を出し、介護サービス提供事業所を併設させてしまうのです。
 
長くなりましたが、上記の理由により、単独にて経営している「居宅介護支援事業所」がほとんどなく、訪問介護事業所に併設されている居宅介護支援事業所が多いのです。
 
当然、併設されている居宅介護支援事業所は、
  ・利用者に●●の事業所を利用したい、という希望が特になく
  ・併設されている事業所にて問題なくサービス提供できる
ということならば、自らのサービス事業所を利用するケアプランを組みます。
自分の給料の一部がサービス提供事業所の利益から提供されている以上、その事業所を儲けさせなければ、自分の給料がカットされ、生活していけないのですから。
 
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具体的に顧客獲得のためにどう対処していくか?

 
介護ビジネスモデルを考えよう」に記載しているように、
  1. 他の訪問介護事業所に倣って、「居宅介護支援事業所」を併設させる
  2. 有償移送サービス(介護タクシー)の許可を取り、他の訪問介護事業所とサービスの差別化を図る
  3. 「居宅介護」や「重度訪問介護」といった障害者を対象としたサービスも実施し、利用者の拡大を図る
といういずれかの選択を迫られることになります。
 
訪問介護事業所のみの経営は、
  1. 既存の訪問介護事業所のサービスがあまりに悪く、利用者から苦情が続出していた。
  2. ヘルパーとして長年働いており、その利用者から独立を促され、事業所開設後、何人もの利用者がサービス事業所を変更して移ってきてくれた。
  3. 親族や知り合いにケアマネージャーが多く、それら人脈を利用して利用者獲得に成功した。
という特殊事情がない限り、かなり厳しいものになると思ってください。
(あらゆる逆境をはねのけて訪問介護事業所のみで成功したならば、最初からケアマネージャーを雇い入れていれば、数倍のスピードで事業規模が大きくなっていくと思います)

なお、自らが雇い入れるケアマネージャーだけでは利用者獲得の上限ができてしまいますので(ケアマネージャー1人で40名しかケアプランが作成できないのですから)、他の事業所のケアマネージャーにも積極的に営業をかけていく必要があります。

他の居宅介護支援事業所への営業方法は次のように行います。

1.WAM NET(ワムネット)にて、訪問介護のサービスを提供しようと考えている地域に存在する居宅介護支援事業所を調べます。
仮に兵庫県西宮市の南部地域にて訪問介護のサービスを提供したいと考えているならば、そこに存在する居宅介護支援事業所のデータをすべてプリントアウトします。
 
事業者検索画面  http://www.wam.go.jp/kaigo/

2.プリントアウトしたデータには「併設されているサービスの種類」が記載されているはずです。訪問介護事業所と併設されている場合は、このWebページで記載した理由により、ほとんどケアプランの紹介は望めませんので、一応開業の挨拶には行きますが、よほど気が合うケアマネージャーでない限り、熱心に営業活動する必要はありません。

3.訪問介護事業所を併設していない居宅介護支援事業所を見つけだしたら、自らの事業所を猛烈に売り込んでいきましょう。その居宅介護支援事業所では「訪問介護」のサービスを他の事業所に依託しているのですから。自分が経営する訪問介護事業所をケアプランに組み込んでもらえれば「利用者1名確保」ということになります。

4.ケアマネージャーの仕事は「激務」です。いつも忙しそうにしています(会計や給与計算の代行をいただいている弊社職員でさえ、打ち合わせの時間確保をするのが難しい)。特に月末から月初めにかけては忙しいみたいなので、営業や挨拶は月中に行うようにしましょう。拘束時間も長くなると嫌われてしまいますので、4〜5分にて済ませられるよう、伝えたい事項をあらかじめまとめておき、要領よく行ってください。「利用者獲得」のために挨拶・情報提供・営業をしているのです。嫌われてしまっては元も子もありません。「今日は忙しい。話を聞けない」というケアマネージャーのために、伝えたい事項をあらかじめ書面にしておき、忙しい方には書面だけを渡すぐらいの準備は必要です。

 

訪問介護事業や居宅介護支援事業所の現状を理解し、
  ・顧客獲得のための営業を頑張ります
  ・顧客を確保する自信がある
ということであれば、開業資金・運転資金の確保について確認しましょう。
ちなみにこの段階では、まだ居宅介護支援事業所に営業をかける必要はありません。訪問介護の開業申請手続を終えていない段階でそんなことをすると、挽回不可能なぐらいケアマネージャーに嫌われます。注意してください。

次のページは、
開業資金・運転資金が確保できるかどうかを考えよう
 
 
訪問介護事業所開業手続は甲子園法務総合事務所にお任せ下さい

 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
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女性起業家応援マガジン「Born to win」
 
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