訪問介護事業所の設備基準をクリアできそうかを確認しよう!

 
訪問介護事業所の設備基準は法令にて次のように定められています。
種  別 内    容
事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室 ◆間仕切する等他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。
◆区画がされていなくても業務に支障がないときは、指定訪問介護の事業を行うための区分が明確に特定されていれば足りる。
◆事務室又は区画については、利用申込の受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保する。
指定訪問介護に必要な設備及び備品等 ◆特に、手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮する。
◆他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問介護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができる。
※事務室、設備及び備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えない。

法令は相変わらずわかりづらく記載されていますので、解説していくと、
まず、訪問介護事業所には、
  「事務スペース(事務室)」  と
  「相談スペース(相談室)」
が必要になります。事務スペース・相談スペースは壁で仕切られた「部屋」となっていてもOKですし、一つの大きな部屋を間仕切り・ついたて・パーティーション等で区分したものでも構いません。それぞれの部屋が機能を果たすために必要な広さが確保できていればOKとなります。

事務スペースの役目は、その名の通り、
  「訪問介護に関する事務を処理する場所」
となります。訪問介護事業所には人員基準で記載したように「管理者」「サービス提供責任者」といった常勤の職員が必ず最低でも1名は存在することになりますので、その方が事務処理を行うスペース(机といす)と、他の常勤職員が事務処理を行うためのスペース(机といす)が必要です。よって、常勤職員が3名の場合は、3名分の机といすを設置できるスペースは最低でも必要になりますし、常勤職員が4名の場合は4名分の机といすを設置できるスペースが必要になります。(その他書棚なども必要になりますので机といすを置くだけでギュウギュウになってしまってはダメです)
 
事務スペースを最低限の広さで確保したいということならば、事務用のスチール机を3つ、4つと置いていると机の面積だけで4〜5畳になってしまいますので、家庭の食卓で使用しているようなテーブルを一つ用意して3〜4人で使用したり、折り畳み式の長机を2つあわせてそれをみんなで使用することになります。

相談スペースはの役目は、「利用申込みの受付・利用者からの相談受付」「ケアマネージャーとの打ち合わせ」「事業所職員との打ち合わせ」等に使用するスペースとなります。必要な広さは、
  「4名が同時に話をすることができるか?」
です。テーブル一つといす4つが置くことができ、4人の人員が無理なく座って会話ができればOKとなります。
洒落たテーブルやソファーを置く必要はありません(もちろんスペースが確保できれば、おいていただいても構いません)。パイプいす4つと、4名分の書類(ノートや印刷物等)が置くことができるテーブルがあれば基準はクリアできます。

以上より、事務スペースと相談スペースに必要な広さですが、常勤職員が3〜4名の場合は、だいたい、
  事務スペースは6畳分の広さ
  相談スペースは4畳分の広さ
となります。
6畳と4畳半の部屋がある物件ならば、その部屋をそれぞれの用途に使用していただいても構いませんし、10畳ぐらいの部屋をパーティーションなどのついたてで区切っていただいて使用していただいても構いません。
 
なお、上記の説明は「訪問介護事業」のみを行う場合で記載していますので、「居宅介護支援事業所」などの他の訪問系介護サービスを併設させる場合は、若干事務スペースが余分に必要になります。


事務所内の設備についてですが、感染症の予防のために「手洗いの設備」に関して設置が求められています。
 
通常、住居用のマンションやアパートを訪問介護事業所として賃貸すれば、「水面所」や「台所の炊事場」といった水道設備があらかじめ備え付けられているはずですので問題ないはずです。
 
オフィス用のテナントを賃貸した場合は、各部屋に水道設備が設置されているところもあれば、「一つの階で共用」となっているところもあるでしょう。
各部屋にそれぞれ水道設備が設置されていれば、その水道を手洗い場として使用すれば問題ありませんが、共用の手洗い場であっても同じ階に設置されていれば、「水道設備まで数百メートル歩く必要があります」というようなことがない限り、問題ありません。(もちろん、その共有の水道設備を感染症防止のための手洗い施設として使用が許可されることが前提ですが)


訪問看護や居宅介護支援事業所といった他の介護サービスと併用する場合は、
「相談スペース」や「手洗い設備」といった「訪問介護事業所が絶えず使用しておらず、他の事業に使用しても訪問介護の事業に支障がない部分」
に関しては、共有して使用することができます。たとえば居宅介護支援事業所と訪問介護事業所を併設させた場合、事務スペースはそれぞれの介護事業にて確保する必要はありますが、相談スペースや手洗いスペースをそれぞれ2つ用意する必要はなく、訪問介護事業と共有するので1つずつ、ということが可能です。


その他、必要な備品として、
  ・書類を保管するための「鍵がかかる書棚・書庫」
  ・電話機・FAX機(一体型のものでもOK)
  ・パソコン
  ・手洗い用の石けん・消毒液

がありますが、購入すれば何とでもなりますので、今の段階ではそれほど深く考える必要はありません。

 

自宅で訪問介護事業所を開業させることができるか?

よく受ける質問の一つに「訪問介護事業所を自宅で開業できますか?」というものがあるのですが、この質問に関しては事業所を設置する都道府県によって対応が分かれます。
 
まず、日本全国どこの都道府県でも共通の認識が、
 
住居スペースと介護事業所のスペースが完全に区分されており、訪問介護事業所としての独立性が保たれていること
 
となります。
弊社では兵庫県と大阪府での介護事業所の立ち上げを専門にしていますので、他の都道府県ではどのような扱いになっているのかわかりませんが、大阪府と兵庫県の見解を記載すると、

兵庫県
住居スペースと介護事業所に使用するスペースがきちんと区分できるならば、自宅での開業もOK。4LDKや5LDKといった比較的大きな自宅を所有し、その自宅にて生活している人員が2〜3名ということであれば、空き部屋が訪問介護事業所として使用できる可能性があります。
 
ただし、生活スペースと介護事業所のスペースを完全に区分し、事業に関係のない家族が事業所スペースに入ってくることを防ぐため、事業所の入り口に鍵を設置する必要があったり、生活スペースと事業所の使用部分が共有する部分(玄関や廊下の部分)をなるべく少なくするために、玄関近くの部屋でしか開業できないなどの制限は付きます。

大阪府
「生活スペースと介護事業所のスペースを完全に区分し、関係のない家族が事業所スペースに入ってくることを防ぐため、事業所の入り口に鍵を設置すること」
この要件に関しては兵庫県と一緒ですが、その他にも、
 
「玄関(入り口)が住居用と事業所用というように別々に確保できること」
「感染症防止の為の手洗い施設・トイレが住居用と事業所用と別々に確保できること」
 
という要件も課されます。
 
『住居スペースと介護事業所のスペースが完全に区分されており、訪問介護事業所としての独立性が保たれていること』
という認識が兵庫県よりも厳格に適用されているため、大阪府の場合、通常の造りの自宅では開業は無理です。
玄関が2つある住居用マンションなんておそらく存在しませんので、自宅マンションでの開業は不可能といってもいいでしょう。
 
弊社でも大阪府内にて自宅で訪問介護事業所を開業された方は何人かいらっしゃいますが、その方は、
 
「自宅の造りが2世帯住宅用に設計されており、玄関・トイレ・水道施設・入居空間が完全に分離されていた」
 
というところばかりです。「一つの家を2つに分ける」というよりは、「2つの家が一つの建物になっている物件」といったほうが適切でしょう。大阪府ではそういった自宅でしか適法に自宅での開業はできません。


なお、「大阪府内でマンションで開業している訪問介護事業所があるが、あそこは事業所と同じ部屋で生活しているぞ」、という場合は、
 
◆訪問介護事業所の開業の申請時に「誰も生活していません」と虚偽の記載を行い申請した。
◆申請時は訪問介護事業所のみの使用だったが、いつの間にか空きスペースにて生活をはじめてしまった。
 
のどちらかとなります。
どちらにしても、今の時点では大阪府の介護事業所の事務所基準を満たしていませんので、立ち入り監査があった場合、早急に改善しなければいけなくなります。
 
「訪問介護事業所を開業すること」が目的ではなく、「訪問介護事業所を運営することで利益を出し、さらに社会貢献を行うこと」が本Webサイトをご覧になっている皆様の目的であると思われますので、こんなグレーな方法は弊社としては当然お勧めしません。

 

訪問介護事業をはじめるにあたっての事務所要件を確認し、
  ・事業所を確保できそう
  ・確保する自信がある
ということであれば、顧客の獲得方法について確認しましょう。
ちなみにこの段階では、まだ事業所の賃貸契約を行う必要はありません。

次のページは、
顧客が獲得できるかどうかを考えよう
 
 
訪問介護事業所開業手続は甲子園法務総合事務所にお任せ下さい

 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

必見! 訪問介護事業所開設手続を専門家に依頼するメリットは?
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行政書士法人甲子園法務総合事務所 代表
    【藤井 達弘】
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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
弊社執筆記事掲載雑誌
 
女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
女性起業家応援マガジン「Born to win」
 
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