求人・採用活動を行い、必要人員を確保しよう

人員基準を満たすことができるかどうかを考えよう」でも記載したように、訪問介護事業所を開設するには、法令で定められた人員をクリアする必要があります。

まず、訪問介護事業所を開業するには、
 ★管理者
   (訪問介護事業所の責任者)
 ★サービス提供責任者
   (その名の通りサービス提供の責任者。ヘルパーのまとめ役)
 ★訪問介護員
   (実際に利用者宅に訪問してサービスを提供するヘルパー)
の3つの職種に定められた人数の人員を配置しなければいけません。
この要件を表にまとめると下記のようになります。

職種 資格要件 配置基準
管理者 なし。資格不要です。 もっぱらその職務に従事する常勤の者1名
サービス提供責任者 いずれかの要件を満たすこと。
◆介護福祉士
◆介護職員基礎研修課程修了者
◆訪問介護員養成研修1級課程修了者
(ヘルパー1級免許保有者)
◆訪問介護員養成研修2級課程修了者(ヘルパー2級免許保有者)で、3年以上介護等の業務に従事した経験を有する方
◆看護師または准看護師
もっぱら訪問介護の職務に従事する常勤の者を事業の規模に応じて1名以上
訪問介護員 いずれかの要件を満たすこと。
★介護福祉士
★介護職員基礎研修課程修了者
★訪問介護員養成研修1級〜3級課程修了者
(ヘルパー1級〜3級免許保有者)
★看護師または准看護師
常勤換算方法で2.5以上
(この2.5にはサービス提供責任者を含む)
※この人員基準は「訪問介護の人員基準」ですので居宅介護支援事業所等の他の介護サービスを併設させる場合は、併設サービスの人員基準も満たす必要が出てきます。

「常勤」とか「もっぱら専従する」とか「常勤換算方法」など、はじめて目にする方には意味不明な言葉が使用されていますが、こちらのページを最初から最後まできちんと読んでいただければ理解できると思います。
→→人員基準を満たすことができるかどうかを考えよう

さて、訪問介護事業を最も小さい規模ではじめようと思うと、
  ・管理者:1名
  ・サービス提供責任者:1名
  ・訪問介護員:2名

合計4名の常勤職員が必要ということになります。
 
管理者とサービス提供責任者は「兼務」することもできますので、兼務する場合は、
  ・管理者 兼 サービス提供責任者:1名
  ・訪問介護員:2名

合計3名の常勤職員が必要になります。
 
「最も小さい規模で」と記載していますが、上記の人数で、
  ・訪問介護員が9名まで
  ・利用者へのサービス提供時間が450時間まで
は問題なく訪問介護のサービスを提供できます。普通に考えると立ち上げ直後からこの規模を超えることはおそらく無いと思いますので、本Webページでは「最も小さい規模で訪問介護事業所を立ち上げる」ことを前提にして説明しています。


訪問介護事業所の開業申請(事業者指定申請)の際に、従業員の資格証やサービス提供責任者・管理者の経歴書を添付して提出することになりますので、申請前に必ず人員を決めておかなければいけません。
 
開業当初に必要な人員が家族・親族・知人といった「身内」だけでそろえられるならば問題ありませんが、外部から人を雇い入れる場合は求人をかけて採用活動をはじめるようにしましょう。


どのようにして求人活動を行うか?

求人活動(人材確保)の方法として、
  1.知人・友人といった人脈を利用する
  2.ハローワーク(公共職業安定所)を利用する
  3.求人誌・折り込みチラシを利用する
  4.求人サイトを利用する
  5.人材紹介会社を利用する
  6.派遣会社を利用する。
  7.自社のWebページを利用する
といった方法が挙げられます。

1.知人・友人といった人脈を利用して募集する
「うちの事業所で働いてくれる介護福祉士を捜しているんだけれど、誰か良い人いない?」というように知人・友人・親族に尋ねまわる方法です。一番古典的なアナログ求人方法ですが、そこそこの確率で人材が見つかりますので馬鹿にはできません。ただし、「知り合いの紹介」で採用することになりますので、採用者をちょっと扱いづらいのが難点。それさえなければそれほどお金もかからない良い募集方法なのですが、、、

2.ハローワークを利用して募集する
全く費用をかけずに求人募集活動ができます。
なんといっても「無料」というところがこれから創業する人にはうれしくてたまりません。求職者は少なくとも一度はハローワークの情報を見るはずですので、集まる人材の質は保証できませんが、よほど低い給与設定でない限り募集(問い合わせ)はあるはずです。求人活動を行うならばとりあえずハローワークに求人票は出しておきましょう。

3.求人誌や新聞折り込み広告を利用する
求人雑誌や新聞の折り込みチラシの求人欄に出稿する方法です。求人広告の大きさ(スペース)によっては他の求人に埋もれてしまい、全く効果が出ませんので、ある程度の大きさにて出稿されることをオススメいたします(そのかわり掲載費用は高くなります)。

4.求人Webサイトを利用する
求人誌や折り込み広告のWeb版です。
Web求人媒体への広告出稿料は、
  「一回あたりの掲載料●●円」
という方法と、
  「応募1通あたり掲載料●●円」「応募情報●●円で◎週間見放題」
という2つの方法に分けることができます。

「一回あたりの掲載料●●円」だと、仮に応募が無くても、それだけの費用を支払わなければいけません。
逆にどれだけ多くの応募があっても追加費用は発生しません。
どちらかといえば人気業種や大企業向きです。
e−aidem(イーアイデム)等ほとんどのWeb求人サイトがこの方式にて運営されています。

「応募1通あたり掲載料●●円」だと、仮に応募が無ければ、掲載費用は0円です。「応募情報●●円で◎週間見放題」も同じです。見るべき情報(応募情報)がないのですからお金を払う必要がありません。
逆に多くの応募があった場合、「応募1通あたり掲載料●●円」だと掲載費用が大きくなる可能性はあります。ただし、中小企業で応募が殺到することは、世間一般的な給与を大きく超える場合でなければ通常あり得ないことですので、中小・零細企業向きの方法です。
「応募情報●●円で見放題」の場合、何通応募があっても定額ですので大変お得といえます。大企業から中小・零細企業まで幅広く使用できる方法といえるでしょう。

「応募1通あたり掲載料●●円」「応募情報●●円で◎週間見放題」というような成功報酬制の求人Webサイトは次のようなところがあります。
 
求人情報QーJin 「求人応募情報▲▲円で●ヶ月見放題」
http://www.q-jin.ne.jp/

 
求人情報サイトG−work 「何名採用面接しても●日間△△円」
http://www.g-work.co.jp/

 
ワークゲート「求人応募1通あたり掲載料××円」
http://www.workgate.co.jp/

 
上で紹介した3つはWebサイトでしか営業をしていませんので、これらサイトを利用している求職者は「ある程度パソコンが使える人材」といえるかもしれません。


5.人材紹介会社を利用する
人材紹介会社に「●●のような人材が欲しい」と採用したい人材の条件を伝えておき、その条件に合う人材を紹介してもらう方法です。紹介してもらった人材を採用するに至った場合だけ料金が加算されるのですが、この料金が「採用した人材の年収の3分の1」というように、非常に高額になってしまうのが欠点。介護事業の中核を担う「ケアマネージャー」クラスの人材募集の際に役立つかもしれません。
 
介護 人材紹介 大阪」といったキーワードにてインターネット検索してみてください。ズラズラズラッと人材紹介会社が表示されます。

6.派遣会社を利用する
「自社で直接雇用している従業員」という制限はなく、「常勤であること」「常勤換算で・・・・」といった条件しか付けられていませんので、派遣会社から資格要件を満たす常勤の従業員を派遣してもらって代用することも可能です。さすがに「日雇い派遣」とか「1〜2ヶ月の短期派遣」といった派遣社員では「営業許可が下りた頃には契約切れでその人がいない」という事態が発生する可能性があるので代用できませんが、派遣期間が1年とか2年といった長期派遣契約であれば問題なく申請できます。
 
派遣会社利用の最大の問題は「人件費が高額」なこと。通常の人件費に派遣会社のマージンが上乗せされていますので、直接雇用に比べて人件費の負担が大きくなります。よって、「どうしても人材が集まらず、事業所の開業申請ができない」という場合を除いてあまり利用はオススメしません。
 
介護 人材派遣 大阪」といったキーワードにてインターネット検索してみてください。ズラズラズラッと人材派遣会社が表示されます。

7.自社のWebページを利用する
即効性はありませんが、自社にてWebページが作成でき、SEO対策を施すことができるならば24時間365日年中無休、しかも無料で求人活動を自社Webページが勝手に行ってくれます。弊社(甲子園法務総合事務所)はこの方法を主にして求人活動を行っています。
   求人募集ページ見本↓↓
   http://www.ii-support.jp/page013.html
なんといっても自社Webサイトですので、好きなように加工できるのが最大のメリットです。文字数の制限もありませんので、好きなだけ書きたいことが記載できます。こちらの要望はすべて記載できますので、経営者と求職者の考え方のミスマッチが最も少ない方法です。
 
ヤフーやグーグルといった「検索エンジン」に作成したWebサイトが認識されるのが数ヶ月後となりますので、「立ち上げ時の人材募集」には間に合わないと思いますが、営業開始後の「登録ヘルパーさん募集」のページを作成してみてはいかがでしょうか?


「良い人材が採用できればOK」なので、いずれか一つの方法に絞ってしまうのではなく、いくつもの方法を組み合わせて幅広く求人活動を行っていきましょう。
 
とりあえず、
  1.人脈を利用する
  2.ハローワーク(公共職業安定所)を利用する
  4.「成功報酬型」の求人サイトを利用する
にてできるだけお金をかけずに採用活動を行い、この方法でイマイチ反応が悪ければ、
 
  3.求人誌・折り込みチラシを利用する
  4.「掲載料●●円」タイプの求人サイトを利用する
 
と費用をかけていくようにしてみましょう。
異業種から介護事業に参入する場合や、介護事業未経験者が創業する場合はレベルの高い人材が必要になってきますので「人材紹介会社」の利用も前向きに考えてみてください。

 

従業員の採用時期は?

訪問介護事業は、役所に事業所の開設の届出(事業者指定申請)を行ってから、約1ヶ月後に営業開始の許可がおります。事業者指定申請の際には、
  ・従業員の資格証
  ・サービス提供責任者・管理者の経歴書
を添付して提出することになりますので、この時点で採用活動を行っていますが、実際に介護の仕事に従事してもらうのは今から2ヶ月ぐらい先の話となります。
 
開業予算に余裕があるならば、募集があって「この人を採用しようかな?」と思った時点で採用してしまい従業員として雇用してしまえばいいのですが、この場合、開業するまでの約2ヶ月間の給料も負担することになってしまいます。
 
開業申請には「従業員を採用していること」までは求められておらず、「従業員の資格証」「サービス提供責任者・管理者の経歴書」があればとりあえずはOKなので、正式採用日は「営業許可の指定が下りる日(書類提出から約30日後)」にしておき、現在のところは「採用内定」ということにしておくのが一番です。
 
「営業許可が下りるのが2008年9月1日の予定なので、9月1日付で従業員として正式採用します。なお、9月1日から採用するのは決定ですので、資格証のコピーを提出してもらえますか?」
 
と採用者に伝えれば、介護ビジネスの世界ではよくある話ですので、求職者はすぐに理解してこちらの指示に従ってもらえると思います。


今後、あなたのすることは、
「採用内定を出した人に迷惑をかけないように、何が何でも伝えた日に訪問介護事業所をオープンできるよう、申請準備を行う」
ことです。
この「採用内定」の約束を守れないと、今後、従業員との信頼関係にずっと悪影響を及ぼします。何が何でも伝えた日時にオープンできるようにしましょう。

 
 
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介護事業を立ち上げされる際に、助成金の利用をお考えであるならば、従業員の採用手順や時期も大きな問題となってきます。
 
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 訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。

 もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。

 しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。

 苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。

 そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。

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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。
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女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。
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