事業所の賃貸借契約を済ませ、場所を確保しよう
訪問介護事業の事業所は「事業所の設備基準を満たすことができるかどうかを考えよう」で記載しているように、
・問題なく通常業務がこなせる広さが確保できている事務スペース
・問題なく通常業務がこなせる広さが確保できている相談スペース
・感染症予防のための手洗い設備
が必要になります。
「問題なく通常業務がこなせる広さが確保できる」というぼやけた記載で、広さが「●平米以上」と断言できないのが、説明がしにくいのですが、通常、訪問介護事業所を立ち上げる際の初期メンバーは
管理者1名、サービス提供責任者1名、訪問介護員2名 の合計4名
または、
管理者とサービス提供責任者が兼務で1名、訪問介護員2名 の合計3名
といったように、3〜4名の人員ではじめられると思いますので、この人数ならば、
事務スペースは6畳分の広さ
相談スペースは3〜4畳分の広さ
ぐらいの広さが確保できれば、大きな机やいすを置かない限り何とかなります。(6畳の広さがあればちょっと窮屈にはなりますが4名の事務スペースぐらいは確保できるはずです)
6畳と4畳半の部屋がある物件ならば、その部屋をそれぞれの用途に使用していただいても構いませんし、10畳ぐらいの部屋をパーティーションなどのついたてで区切っていただいて使用していただいても構いません。
9〜10畳ほどのちょっと広めのワンルームマンションを訪問介護事業所に利用するとこんな感じになります。(一つの部屋をパーティーションで区切って2つのスペースに分けて使用しています。)

上の例のように、訪問介護事業所の開設基準をきちんと満たした事務所を確保しましょう。
なお、訪問介護事業所の開設申請(事業者指定申請)の際には、
・事業所の賃貸借契約書
・事業所の平面図
・事業所内部及び外観の写真
の添付が必要になるため、必ず申請前の段階で事業所を確保する必要があります。
事業所の立地について
訪問介護事業は「利用者宅にこちらから訪問してサービスを提供する事業」ですので、事業所の立地に客足が左右されることがありません。
もちろん、誰も住んでいない集落から離れた山の中でポツンと開業しては、廃業への道をひた走ることになりますが、常識的に考えて、
利用者となる高齢者が多く住んでいる地域
に事業所を構えることができれば、それでOKです。
上の条件にプラスして、
「従業員となるヘルパー免許を持たれている主婦層が多く住んでいる地域」
ならば開業地として最適といえますが、どこにヘルパー免許を保有している方が多く住んでいるかは調べようがありませんので、そこまで深く考える必要はありません。ヘルパー免許を持たれている方は比較的40〜50歳代の主婦の方が多いのでそういった年代の方が多く住む住宅街+利用者となる高齢者が多く住んでいる地域ならば良しとしましょう。
マンションやテナントの1階である必要はなく、高層階でも構いません。
人通りが多い筋から一本中に入った裏通りに事業所があっても構いません。表通りの人通りが多い方が看板を立てれば事業所の存在がアピールできますので有利なのは間違いないですが、これぐらいのデメリットは地元の自治会や老人会、ケアマネージャーへの営業活動を強化すれば何とでもなります。
「駅前の一等地」とか「人通りの多いところ」「テナントビルの1階」といった事業所の立地にこだわるよりは、
・広さなど基準を満たした物件を
・いかに家賃を低く抑えて確保するか?
にこだわった方が長い目で見れば得でしょう。毎月のランニングコストを引く押さえることができますので。
◆事業所選定の際のマメ知識◆
「事業所から自転車で15分以内」の地域が主な営業地域となります。
住宅が密集している都心部では、「だいたい」「おおよそ」といった言葉は付きますが、
「事業所から自転車にて15分以内」
でいける地域が主な営業地域となります。事業所から遠く離れた地域ではヘルパーが確保できず、仮に利用者が現れたとしても、ヘルパーが派遣できない、という事情があるからです。
ヘルパーさんの交通手段はほぼ全員が「自転車」となります。働き場であるヘルパーステーションは都心部では数多くありますので、よほど高い給与を支払わない限り、「近くのヘルパーステーションに登録しておこう」と皆考えます。ヘルパーさんの行動範囲は「自宅から自転車で10〜15分ぐらい」と考えましょう。よって、自転車にて15分以上かかってしまうと、求人を出したとしてもその地域からの応募がほとんど無く、ヘルパーが確保できないので、営業にも身が入らず、自然と主たる営業地域からはずれていくのです。
事業所確保で注意すること
1.広さや設備の基準はクリアしているか?
「大は小を兼ねる」の諺のように広すぎる物件ならば、何とでもなりますが(家賃が無駄ですが)、小さすぎる物件を借りられるとどれだけ経験豊富な専門家に任せたとしても、どうにもなりません。間違っても「4畳半」とか「6畳」のワンルームマンションを借りないようにしましょう。狭すぎて必要スペースが確保できません。
2.併設して他の介護サービスも提供する場合は要注意!
訪問介護事業所のみをオープンさせるならば上に掲載している見取り図のような間取りでOKですが、「居宅介護支援事業所」や「訪問看護事業所」といった他の介護サービスの事務所と併設させる場合は、併設させる「居宅介護支援事業所」や「訪問看護事業所」の事務所要件も満たさなくてはいけません。他の介護サービスと併用する場合は、
「相談スペース」や「手洗い設備」といった「訪問介護事業所が絶えず使用しておらず、他の事業に使用しても訪問介護の事業に支障がない部分」
に関しては、共有して使用することができます。たとえば居宅介護支援事業所と訪問介護事業所を併設させた場合、事務スペースはそれぞれの介護事業にて確保する必要はありますが、相談スペースや手洗いスペースをそれぞれ2つ用意する必要はなく、訪問介護事業と共有するので1つずつ、ということが可能です。
以上より、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を併設させる場合は、このような間取りが確保できればOKとなります。

※手洗い設備は同じフロアの共有のトイレ・洗面所を利用しています。
3.賃貸借契約は法人名義で行う
事業所の賃貸借の名義人は「訪問介護事業所の開設申請(事業者指定申請)を行うものの名義」で行う必要があります。つまり、「会社や法人名義」にて賃貸借契約を結ばなければいけません。経営者の自己所有物件を使用する場合は、「代表者個人」と「会社・法人」との間で賃貸借契約を結ぶことになります。「自分の持ち物を自分が社長をやっている会社に貸すだけなので、自分が納得していればいいじゃないか」とおっしゃる方も時々いらっしゃいますが、書類を受け取る側の役所はそれでは納得しませんので、きちんと会社と個人の間で賃貸借契約書を作成し、その契約書を提出することになります。
4.使用目的は「訪問介護事業所」又は「介護事業所」
賃貸物件の使用目的が「住居」となっていると、訪問介護事業所の開設許可が下りません。居住用の物件を借りた場合、賃貸借契約書に記載される使用目的は、こちらが申し出ない限り「住居」とか「居住用」といった言葉が記載されてしまいますが、この物件を「住居」として借りたわけではありませんので、必ず「訪問介護事業所」と記載してもらうようにしましょう。他の介護サービスと併設させる場合は「介護事業所」と記載してもらうようにしましょう。5.大家さんの承諾はとれているか?
役所の担当者によっては「家主さん(大家さん)の承諾はとれているの?」と聞いてくる人もいます。賃貸物件の使用目的を「訪問介護事業所」や「介護事業所」と記載している賃貸借契約書を交わしていますので、承諾がとれていないということは普通に考えればあり得ないことなのですが、念には念を押して、大家さんに「訪問介護事業所として使用します」と一言挨拶しておいた方がいいでしょう。事業所の賃貸借契約が完了し、事業所の住所が確定したら、「損害賠償保険の加入」の項目に進みましょう。
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甲子園法務総合事務所に訪問介護事業所の開設手続をご依頼いただいたお客様は、事業所を不動産屋と本契約する前に、弊社職員がその物件の広さ・設備等を確かめ、問題なく訪問介護事業所として利用できるかどうかを確認する「事業所下見サービス」を無料にてご利用いただけます。
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訪問介護事業所を開業するには、このHPで説明しているように、非常に多くの書類を作成していかなければなりません。事業者指定申請(訪問介護事業所の開設手続)だけでなく、助成金の申請書や金融機関に提出する融資申請書・事業計画書の作成など、とにかく「訪問介護事業所を開業しよう」と決意したならばこれから先は書類との戦いが始まります。
もちろん、訪問介護事業所開設申請に関する書類の雛形は、大阪府庁の介護保険事業者指定の部署や兵庫県庁等に「訪問介護事業所開設申請に関する手引き書を下さい」ともらいに行けば簡単に手に入りますし、都道府県によってはHPから手に入れることもできます。
しかし、手慣れた人が書類を作成・準備するのならともかく、はじめての人が一からすべて間違いなく、しかも短時間でそろえることは、大変骨の折れることです。というよりそんなことできません。はっきり言って不可能です。
苦労して書類を一から作り、役所に何度も手直しをさせられて、やっと許可が下りた訪問介護事業所というのも、「自分が設立した」という愛着が湧き、いいとは思いますが、このHPを見られている方は「訪問介護事業所を開設すること」が目的ではないはずです。開設した訪問介護事業所にて高齢者に喜ばれるようなサービスを提供すること・社会貢献を行うことが本来の目的ではないでしょうか? 訪問介護事業所の申請に時間をかけるならば、開業後の活動準備(顧客確保のための営業活動や運転資金確保のための融資手続など)に時間をかけた方が経営者・そしてそのサービスを受ける高齢者にとっても利益となると思われます。
そこで、甲子園法務総合事務所では、訪問介護事業所の事業者指定申請手続きはもちろん、開業後に必要な重要事項説明書や契約書の用意、運転資金確保に関するコンサルティング(助成金情報の提供や金融機関への融資手続代行など)、設立後の届出、法務アドバイス、経理事務の代行など経営者の負担を少しでも減らせるように、各種サービスを提供しております。また、介護事業所は開業後も様々な書類を役所に提出しなければいけません。監督行政庁から行政指導を受けないように、健全な運営を行っていく上でのコンサルティングも行っております。是非、ご利用ください。
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【藤井 達弘】

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日本実業出版社の「経営者会報」に4ページにわたり弊社が掲載されています。

女性起業家や起業家のたまごなど、頑張る女性を応援するマガジン『Born to win』に掲載されました。

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